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徳二とは?/ ディック

[ 638] 第62回) 壱番屋創業者特別顧問 宗次 徳二さん 効率追わず安売りせず : グローカル : 中部経済 : 中部発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
[引用サイト]  http://chubu.yomiuri.co.jp/news_k/glocal/glocal_041110.htm

――カレー専門の一号店が誕生してから二十七年目。年内には千店に達するそうですが、この勢いは世界へも広がりますか。
「十月末には九百八十四店になりました。うち海外では、ハワイに五店。近く六店目が決まりそうです。中国では九月三十日、上海に一号店がオープンしました。カレーの味も店のスタイルも日本のままですが、欧米やアジアでも受け入れられていくと思います」
「自分たちのカレーに自信を持ち、あとはお客さまへの真心をどれだけ込めることができるかですが、カレーになじみの薄い割には順調です。しかし、最初は散々でいいんです。これまでも、売り上げは苦労しながら伸ばしてきました」
――日本最大のカレー専門店チェーン誕生は、独立した社員にのれん分けする独自のフランチャイズ・システムのおかげですか。
「大量に煮込んだカレーを配達し、温めて提供すればいいのですから、創業間もないころから、この商売はフランチャイズに一番向いているなと考えました。問題はどうやって加盟店を募集するかです。お金さえあればいいものではない。会社で何店舗かを引き受けてやろうなんて景気のいい話も舞い込みましたが、すべて断りました。夫婦二人三脚で、生業としてやっていただける方だけにお願いしました。一方で、社員には強い独立志向があります。彼らなら、直営店で経営を学んでいるうえに、ふだんの仕事ぶりから、店を任せられるかどうかの判断ができます。そこで、開花を意味する英語から、ブルーム・システムという独立制度をつくったのです」
――マクドナルドやケンタッキーフライドチキンといった外食産業の雄と、経営スタイルや理念に違いはありますか。
「お客さま第一主義はどこも一緒です。しかし、お店という現場でどう表現し、実践されているかで大きな差が出ます。私たちは効率は追いません。安売りもしません。多くの外食チェーンは、お客さまのためではなく、ライバルと競争した結果の安売りです。モノのサービスもしません。うちでは、ラッキョに30円いただきます。どこまでも心のサービスが一番大切です」
「株式を上場した当時、アナリストや機関投資家には、それでは生き残れないと断言されました。しかし、安売り競争に走ると、店が荒れて、駐車場にごみが散乱したり、雑草が生えたりします。そんなことでは、商売をする意義がないでしょう」
――時間内に大盛りを食べ終えると無料になるといった企画が、ヤングに受けて急成長しましたが、高齢化社会の到来で、壁にぶつかりませんか。
「私たちの商売は一店舗で何億も売ろうというものではありません。店の大きさも平均三十八席程度です。その地域の何%かの人に、壱番屋にまた来たいなと思っていただけるような店にすればいいのです」
「小さなのは日常的にありましたが、幸い転機になるような失敗はありませんでした。冗談半分で言うなら、私が四十一歳でゴルフを始めたことでしょうか。創業者は会社に命がけになるべきで、ゴルフは体力、時間、お金の浪費でした。ただ、ゴルフ場に連れて行った息子がゴルフに興味を持ち、自分の進むべき道を決めました。その意味では、ゴルフの功罪は差し引きゼロですね」
「まったく血縁もない人に会社を委ねたと、みなさんは不思議がりますが、私も妻も、息子になんて考えたことはありません。五十歳を超え、五百店舗を突破して、自分なりに区切りがつき、いつまでもマイ・カンパニーの意識で経営に携わっていくより、有能な人に引き継ごうと決めていました」
――会長をやめてからNPO(非営利組織)法人イエロー・エンジェルを設立し、来年から、飲食店の経営を目指す夫婦を対象に創業塾をスタートします。夫婦に絞ったわけは?
「私たちのような経営の素人がここまで来られたのは、夢を忘れず、夫婦で頑張ってきたからです。奥さんがご主人のそばでしっかりサポートしないと、良い経営は続かないと、確信しています。だから創業塾では、マネジメントとかメニューづくりなど一切教えるつもりはありません。真心の経営、そして掃除を一生懸命にやる、早起きする、遊ばないといった基本的な姿勢の大切さだけを語り続けます」
宗次さんが、味の秘けつを教えてくれた。「科学的な裏付けは分かりませんが、カレーは冷凍すると、なぜかおいしくなるんです」。壱番屋では、調理拠点でつくったカレーをパックに詰め、冷凍したまま各店へ届けている。
さて、宗次さんは全国津々浦々、同じカレーの味を守ってきた。「壱番屋ならという安心感を大切にしてきた」からだ。
しかし、トッピングの組み合わせが自由にできることや、ご飯の量を百グラム単位で増減でき、辛さも一辛、二辛、三辛などと注文できるのは、デジタル時代にふさわしい。
ベースの味や店の雰囲気は極力同一性を保持し、真心のサービスを強調してきた宗次さん。アナログとデジタルの“融合”を、私たちは味わっているようだ。

 

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