アンフェタミンとは?/ ディック
[ 298] アンフェタミン - Wikipedia
[引用サイト] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3
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密造と濫用がヨーロッパ諸国で横行し、主にフェニルプロパノールアミンから合成した硫酸アンフェタミンの形で出回っている。さらに、アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、カナダなどの国々ではナルコレプシーやADHDの治療に用いられるため、処方されたアンフェタミンが横流しされ、高校や大学で最も頻繁に濫用される薬剤の1つとなっている。 急性中毒による症状として、精神病、失見当識、一時的な統合失調症様症状、攻撃性の増加、妄想、開口障害、下痢、動悸、不整脈、失神、異常高熱症、および痙攣を起こし昏睡に至る反射亢進が挙げられる。アンフェタミンは常用すると耐性を生じやすく、望まれる効果を得るために必要な用量が増すことがあるため習慣性を生じやすい。アンフェタミン依存症となった患者には、不穏状態、不安、うつ、不眠、自殺衝動といった症状があらわれる。尿検査によってアンフェタミンの存在が確認できる。患者には入院が必要とされることもある。支持治療が重要である。熱中症を起こした際には冷却毛布が有効である。ロラゼパムやジアゼパムなどのベンゾジアゼピン系の精神安定剤によって不安感が抑えられる場合がある。ハロペリドール(抗精神病薬の一種)は運動量亢進や妄想に対し効果を示す。併発する高血圧や不整脈にも対処しなければならない。 ユートマー(eutomer, 活性の高い方の光学異性体を指す)であるデキストロアンフェタミンはモノアミン神経伝達物質のノルアドレナリンおよびドーパミンの放出促進と再取り込み阻害によって中枢神経に作用する。セロトニンには影響しない。放出促進の過程では、小胞モノアミン輸送体 VMAT2 に対する活性の発現が特に重要な役割を果たす.[1]。 強い効果を持つ覚醒剤である。アメリカでは ADHD やナルコレプシーの治療に用いられる最も一般的な薬剤であり、特定の条件下での肥満に対する体重減少薬としても認可されている。軍隊のみにおいてはパイロットに対して疲労抑制剤として、また警戒態勢や注意力の持続が要求される任務につく際に与えられることが多い。このような効果を得るために不法に利用されることもある[要出典]。望まれる効果は主に D-アンフェタミンによってもたらされ、L-アンフェタミンはこれらの作用が失われたあとに吐き気などの副作用を現す。 日本では、ゼドリンの商標で武田薬品工業からアンフェタミン製剤が発売されていたが、現在では発売が中止されている。 日本以外の国々では、メチルフェニデート(リタリンR、コンセルタRなど)と共に、アンフェタミンはADHDの標準的な治療薬である。ADHD に対する有益な効果として、衝動の抑制力や集中力の増加、感覚器への過剰刺激や被刺激性の減少などが挙げられる。これらの効果は特に幼い子供に対しては時として劇的である。ADHD の治療薬・アデラルは4種のアンフェタミン塩からなり、アデラルXRは同じ塩の徐放性製剤版である。適切な用量を守って使えば食欲減退などの副作用は時間と共に軽くなっていく。しかしながらメチルフェニデートよりも体内に残留する時間が長く、食欲や睡眠に関する副作用は重い傾向がある。 また、ナルコレプシーなどの睡眠障害の治療薬としても標準的な薬剤であるが、やはり日本では認可されていない。一般的に、習慣性や身体依存を生じさせること無く、長期間にわたって効果を得ることができる。さらに、難治性の抗うつ治療に用いられることがある。 アンフェタミンやメタンフェタミンは心臓に与える負担が大きいため、循環器系を非常に酷使するスポーツの選手は普通使わない。事実、1960年のローマオリンピックで、アンフェタミンを投与されたデンマークの自転車選手が競技後に死亡して以降、ドーピング防止策が進められるようになり、アンフェタミンは禁止薬物に指定された。 アンフェタミンは長距離トラックの運転手、建設業関係の労働者、工場作業員など、労働時間が長かったり不定期になりがちなシフト勤務者や、単調な反復作業を行う者の間でも広く使われている。このためアンフェタミンは時に「レッドネック・ドラッグ (redneck drug)」と呼ばれる(レッドネックとは首筋が赤く日焼けしている白人労働者を揶揄する卑語)。ホワイトカラーや学生もまた、長時間に及ぶ過密なスケジュールの間注意力を持続させるため、あるいは学習能力を向上させるためにアンフェタミンを使う。タイでは缶詰工場の労働者に対し生産性を上げる目的で強制的にアンフェタミンを投与した事例が報告されている[2]。 1960年代から70年代のイギリスにおいても普及しており、モッズ文化において重要な役割を果たした。後にはパンクスによって夜通し踊り続けるために使われた。ビートルズも、デビュー前にハンブルクのクラブで夜通し演奏するためにアンフェタミンを服用していた。 分子輸送体を開口チャネルとすることによってノルアドレナリンとドーパミンのストアを神経終末から開放する。また、シナプス小胞からセロトニンのストアを開放する。メチルフェニデートと同様、アンフェタミンはドーパミンおよびノルアドレナリンに対応するモノアミン輸送体を阻害することにより、それらの再循環を妨げる。これは再取り込み阻害作用と呼ばれ、結果としてシナプスへのドーパミン、ノルアドレナリンの蓄積を導く。 これらの複合作用によってシナプス中の神経伝達物質の濃度は急速に増加し、ニューロンにおいて対応する受容体への神経インパルスの伝達を促進する。 短期的生理学的効果には食欲減退、持久力や身体能力の向上、性欲・性感の増加、不随意運動、発汗量の増加、活動亢進、神経過敏、吐き気、掻痒感、できもの・油肌、頻脈、不整脈、血圧の上昇、頭痛が挙げられる。効果が消えたあとに疲労感が現れることもしばしばある。過量はクロルプロマジンによって処置することができるとされる。 長期的(習慣的)服用、または過量による効果として振戦、不穏状態、睡眠の時間帯の変動、肌荒れ、反射亢進、過呼吸、消化器系の狭小化、免疫系の弱体化などがみられることがある。興奮期のあとに疲労・抑うつ状態が現れることもある。長期にわたって使用すると、勃起不全、心臓の障害、脳卒中、肝臓・腎臓・肺への損傷が起こることがある。吸入すると鼻腔の内部がただれることもある。 短期的心理的効果としては、注意力の亢進、多幸感、集中力の増加、早口、他者への信頼感の増大、社交性の向上、眼振、幻覚、服用後のレム睡眠の消失が起こりうる。 長期的心理的効果には不眠、統合失調症に類似した精神状態、攻撃性の増加(統合失調症には付随しない)、離脱症状を伴う習慣性の獲得や依存症の発症、被刺激性の増加、錯乱、パニックが挙げられる。慢性的に、あるいはかなりの長期にわたって服用すると「アンフェタミン精神病 (amphetamine psychosis)」に陥り、妄想とパラノイアが起こるが、処方された用量を守れば可能性は低い。アンフェタミンは心理的習慣性が非常に強く、慢性的な服用によって極めて速やかに耐性が獲得される。アンフェタミンからの退薬は心理学的には厳しくはないが、不快な経験を伴う(パラノイア、抑うつ、呼吸困難、神経不安、胃の蠕動・胃痛、嗜眠など)。そのため常用者は頻繁に退薬に失敗するが、これが耐性の獲得や依存症への陥りやすさを物語っている。 耐性がすぐに獲得されるため望みの効果を得るのに必要な量は増加していく。多くの常用者は退薬中により多量のアンフェタミンを摂取してしまうサイクルを繰り返す。これは非常に危険な状態であり、退薬を助けるために他の薬剤が用いられることもある。 日本では、アンフェタミン(フェニルアミノプロパン)は覚せい剤取締法で覚せい剤に指定されている。現在、医療用途として正規に認められたアンフェタミン製剤はなく、不法な所持、使用により10年以下の懲役に処せられる。 イギリスではアンフェタミンは1971年薬物誤用法でクラスBの薬物に指定されている。不法所持により3か月以下の禁固および2,500ポンド以下の罰金に処せられる。 アメリカではアンフェタミンとメタンフェタミンは規制物質法でスケジュールII薬物・中枢神経刺激薬に分類されている。スケジュールIIに分類されるのは、濫用の危険性が高く、現在医療用途に厳しい制限のもとで用いられており、重篤な生理学的・心理的依存性をもたらす危険性が高い薬物である。 |
[ 299] 覚醒剤の助けで戦闘に臨む米軍兵士たち | WIRED VISION
[引用サイト] http://wiredvision.jp/archives/200302/2003022001.html
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マーシャル氏の意見は、疲労への対処について書かれた米海軍の公式ガイドの3ページ目に引用されている。昨年4月、米空軍第183戦闘航空団のパイロットたちは、この意見を実感した。カナダで発表された報告書によると、イラク空爆の際に誤爆をしてしまったこの航空団のパイロットたちは、その前に指揮官に対して疲労を訴え、次の任務まで12時間あけるという「常識」がないがしろにされていると不満を表明していたという。 指揮官が彼らに与えたアドバイスは2つだけだった。「泣き言は止めろ。軍医のところに行って『行くか行かないか決める』薬をもらってこい」 第183航空団のハリー・シュミット少佐とウィリアム・アンバッチ少佐の2人がカナダの訓練部隊にレーザー誘導爆弾を誤投下して、カナダ軍兵士4人を死亡、8人を負傷させるという事件が発生したのは、その1週間後だった。 軍事裁判法第32条に従って、2人のパイロットを殺人・暴行・職務怠慢の罪で軍法会議にかけるべきかどうかを決定するための審理は先日終了したが、弁護側は、カナダ軍兵士を殺したのはパイロットたちではなく、空軍の処方した錠剤デキストロ・アンフェタミン(製品名『デキセドリン』、通称「スピード」)であると主張した。 アンフェタミンは19世紀後期に発見され、喘息などの呼吸障害に用いられていた。しかし中枢神経系を刺激する働きがあることから、1930年代までに覚醒剤やダイエット薬として広く使われるようになった。今日ではおもに睡眠障害や子どもの注意欠陥障害に処方され、まれに鬱(うつ)病にも投与される。 軍の指揮官やフットッボールチームのコーチ、それに学生たちも、同じ理由でアンフェタミンに頼ってきた。つまり、何もしなければ肉体は眠気に負けてしまうが、アンフェタミンがあれば、長時間にわたって戦闘体勢を維持できるのだ。 だが麻薬取締局によると、この薬は、深刻な副作用として精神病性の異常行動、抑鬱、不安、疲労、偏執症、攻撃性、暴力的行動、意識障害、不眠、幻聴、気分障害、妄想を招く怖れがある。フットボールの試合の前には選手たちの食卓にデキセドリンをたっぷり仕込んだパンチボウルが並ぶのが常だったが、こういった食物はかなり前に追放された。 大学の校医も、かつては学生が試験中に「体重の問題」を訴えた場合、痩せている学生にすら簡単に「覚醒剤」30錠を処方していたが、こういった慣習も消えて久しい。 しかし、第二次世界大戦、ベトナム戦争、湾岸戦争を通じて、兵士たちに大量のアンフェタミンを配布し続けてきた米国防省は、これは無害なだけでなく役に立つと主張して、この習慣を変えようとしない。 空軍医師でパイロットでもあるピート・デミトリー博士は、第32条に基づいた審理に関連して記者会見を行ない、「米空軍は(デキセドリンを)60年間、安全に使用してきた」経験があり、「覚醒剤に関わる事故は一切確認されていない」と主張した。 空軍によると、アンフェタミンの使用は完全に任意で行なわれている。その証拠として空軍は、デキセドリンを受け取ったパイロットが署名する「インフォームド・コンセント」の書類には、服用が自由意志に基づくということが最低7回書かれていると指摘する。ところがこの書類には、パイロットが服用を拒否する権利を行使した場合、地上勤務を命じられることがあるとも記されている。 「地上勤務、すなわち飛行任務を外されるということは、どんなパイロットでもキャリアに大きな傷がつくことを意味する」と説明するのは、退役空軍少佐で、現在『ミリタリーコラプション・コム』の編集長を務めるグレン・マクドナルド氏だ。「米空軍はパイロットに薬物依存症になるリスクを負わせ、その健康を危険にさらしてきた」 海軍大将として退役後、麻薬取締局の副局長を務めたユージン・キャロル氏も、アンフェタミンはそれほど危険でないとするデミトリー博士の見方に異論を唱えた。キャロル氏は、第二次大戦中に空母着艦に際して注意力を高めるために、アンフェタミンを処方してもらった。しかし、今でもその常習性を懸念しているという。 「パイロットに過度な勤務を強いれば、こうした薬剤を常時服用せざるをえなくなり、ストレスが飽和状態を超えて、危険な事態を招くことになる」 |